佐藤ねじさんは、先日株式会社カヤックを退職し、新たに株式会社ブルーパドルという会社を立ち上げたデザイナー/アートディレクターです。
業界の中でも有名で「すごいウェブ」や「コクリ」等のサイトを作ったことで知られるねじさん。僕も兼ねてから存じ上げており、そんなねじさんが本を出したということで読んでみました。
本書は、ねじさんがこれまで築き上げてきたノート術を紹介するという内容。「1軍ノートと2軍ノートを使いわける」とか「毎回必ず同じフォーマットでメモをとる」など、メモをとることについて考え尽くしてきたねじさんのこだわりと、その想いが詰まった1冊となっています。
特に、僕が気に入って自分の習慣にも取り入れようと思ったのが「朝メモ」と「毎週決まった曜日に、メモを振り返る」というもの。「朝メモ」は毎日、朝のちょっとした時間に考えていることをメモに吐き出す作業のこと。これは仕事やプライベート関係なく、とにかく雑多な内容でもいいのだそう。
ねじさんのメモのとり方の特徴として、「ちょっとでも引っ掛かったらメモをとる」というものがあります。それはすぐに役立つものではないかもしれないけれど、少しでも「おもしろい」とか「なんだこれ?」と違和感を覚えたりしたらすぐにメモを取ることをオススメされています。
「毎週決まった曜日に、メモを振り返る」というのはそのまんまで、ねじさんの場合は毎週休日の日曜に、その一週間に書き溜めたメモを振り返っているのだそうです。メモを書きっぱなしにしてしまって、結局あまり意味がない…、なんてことはよく聞きますが、こうして積極的に振り返る時間を作るとそれが防げるんですね。
あと、特に強くおっしゃってたのが「ノートはぜっっっったい捨てちゃダメ」ということ。5年、10年経ってから自分が書いたノートを振り返るとすごくおもしろく、価値のあるものになっているから、絶対にノートは保存しておいたほうがいいんだそうです。
他にも、ノートに対するねじさんのこだわりを知ることができる、おすすめの1冊です。ぜひ手にとってみてください。
ノートを買うのが好き。
この本を読んだあと、改めてノートについて考えて、実際にノート売り場に行ってみました。
そのときにふと思ったのですが、僕はノートを「買う」瞬間がいちばん好きだなぁと。もちろん、買ってその後書くのも楽しみですが、「どんなノートにしよう」とあれこれ眺めてる瞬間が一番好きなんです。
ノートの場合は、それを買う時々で自分がノートに求めていることが変わるんですよね。例えば、移動することが多いときだと小さめで携帯しやすいノートがいいし、図をたくさん書いたり、大きな紙面がほしいときはA4以上の大きなノートを選ぶなど、毎回ちょっとずつ求めるノートの質が違うんですね。たとえば今だと、サイトにおける画面遷移図をたくさん描くので広めのノートがほしいなと思っています。
みなさんも、ぜひ次ノートを買うときには、これまで使い続けてきたノートが、いま本当にいちばん望んでいるものなのか見直してみるとおもしろいかもしれません。