文章力

以前の記事でブログを書くモチベーションについて「抽象化の訓練である」と述べたが、今回はまた別の目的に気づくことができたのでそのことについて書く。それは「文章力の訓練」である。(やや当たり前な話ではあるが。)

前提として、私は中学を卒業してから「高専」といういわゆる理系の学校を選択したことや、とりわけ人より読書量が多いわけではないことから、文系的な素養に関して一定のコンプレックスがある。そしてその素養不足が、年を経るごとに仕事の場面において足枷になっているように感じる。

私のようにプログラミングを主な生業としている人間であれば、文系的な素養に関してはあまり影響がないのではないかと思われるかもしれない。しかし、決してそんなことはない。確かに仕事を進める上でプログラミングと向き合う時間は長いものの、取引先やパートナーとコミュニケーションを行う時間も多くの時間を占める。その際に、文系的な素養、とりわけ文章力や語彙力がパフォーマンスに影響してくるのだ。そう思うのは、自分自身の素養不足に不甲斐なさを感じるからというのもあるし、他者と接する際にこうした能力に長けている人とは非常に仕事が進めやすいなと感化させられた影響も大きい。

また、よりプログラマに関連した業務内容で言えば、ドキュメントやマニュアル、延いては外部向けの技術発信記事を書く場面では高い文章力が問われるだろう。高度な語彙力は必要ないかもしれないが、秩序立てて文章を構成する際の頭の使い方はプログラミングを行うときのものとは全く違ったものだという感覚がある。こうした文章執筆の仕事をするときは大抵丸一日ほどかかり、終わる頃には随分脳が疲弊した状態になる。

上記のような理由からプログラマには一定の文章力が必要不可欠であると考え、本ブログの執筆習慣はその訓練の一つであると考えている。周りを見渡してみると、優秀なプログラマは得てして美しい文章を書く人が多いように思う。もしかすると、美しい文章が書けるが故に結果として影響力を帯びて、その人を優秀なプログラマたらしめているという順序なのかもしれないが。

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