役割と責任

「企画から制作までノンストップで行えることが強みです」、という宣伝文句は僕たちの会社の紹介文にもよく載せてあるし、それを宣伝文句として使っていないところの方が少ないんじゃないかというくらい、制作会社にとっては定番になっている気がする。
似たように、「ジャンルの垣根に囚われず、幅広い分野でデザイン活動を行っています」というデザイナーも然り。

この手の宣伝文句は、本当に高い水準でそれを実現できているなら確かにすごいと思うけれど、実際にはなかなか難しかったりする。しかし、この言葉が持つ<大は小を兼ねる>的なニュアンスが、制作やデザインしか担当していない制作会社をマウンティングする効果があり、とりあえず言っとけば優秀そうな会社に見えるから使っているところが多いんじゃないかな。

僕らも会社の紹介文にこの言葉を入れているだけあって、そういう会社を目指していたところは間違いない。しかし、数々のプロジェクトをこなしていくに連れて、自分の役割をちゃんとわかってそれに全うしようとしてくれる制作会社(クリエイター)の方がよっぽどやりやすいし、高いクオリティで仕事をしてくれるように思う。砕けて言うと、デザイン会社なら企画にはとやかく言わずデザインだけに専念する、システム会社ならコンテンツには口を出さず、実装に専念するといった具合に。

僕はエンジニアなので、こういった事象は抽象化した後にフレームワークの設計になぞらえて考える癖がある。言うなれば、「企画から制作までノンストップで行える」制作会社はRuby on Railsみたいなものだ。けれど、現在のプログラミング情勢ではRuby on Railsのようなフルスタックなフレームワークは少しずつダウントレンドになりつつあり、細分化したマイクロサービスを組み合わせて実装する手法を取り入れるケースが増えている。なんとなく、このトレンドと先述した仕事の役割分担が似た話であるように思う。

副業やフリーランスという形態で働く人が増えることで、専門性の高いスキルがある人にはどんどん仕事が集まり、そうでない人には仕事が来ないという格差はより一層拡大していくだろう。つまり、組織が少しずつ分解していくに連れて、ジェネラリストよりもスペシャリストの方が仕事をしやすい環境になってくる。…、どうでしょうか。ジェネラリスト = フルスタックフレームワーク、スペシャリスト = マイクロサービスという構図が似ているという主張が伝わっていると嬉しいです…。

さて、そんなわけで最近の僕らの会社の立ち回りとしては、今までのように「企画に入らせてもらえない仕事なんてやってられるか!ガンガン口出していくぜ!」という感じではなく、

「この仕事はうちのアイデア力、トンマナ感覚を期待して依頼してきているな。少しブレストして次の打ち合わせではこちらからアイデアを持っていこうか。」

「あ、この仕事では実装だけを求められているな。了解です!それでは、カタカタカタ…」

というように、相手の温度感に合わせて動き方を変えるようにしています。考え方が変わったと言うより、今までより少し大人になっただけかもしれませんが。(笑)

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