2023年と生成AI

2023年もいよいよ終わりに近づいております。皆様、どのような1年を過ごしてこられましたでしょうか。

弊社のお仕事としてのハイライトを1つ挙げるとすれば、アプリファクトリーはるni様のコーポレートサイトを制作・リリースし、SNS上で多くの良いリアクションを頂けたことです。

3D表現を用いた技術的にチャレンジングなお仕事であったため、技術解説記事をZennに書いたりした結果、学生の方から「この部分の実装方法をより詳細に教えてください」というメールを頂いたり、このお仕事をきっかけとして弊社にお声掛け頂いたプロジェクトが現在進行していたりと、様々な良い出会いを生み出してくれました。

弊社の得意領域とする技術・表現と、世間からの評価が上手くアラインしたお仕事だったため「仕事のコツが分かったかも」と、少しだけ天狗になった瞬間もありましたが、それからまた半年ほどたった今ではまた目の前の仕事に悪戦苦闘しているため、仕事というのは中々ままならないものだなあと感じます。それが面白いところでもあるのでしょう。

また、今年はプライベートで久しぶりに海外に行くこともでき、コロナ前の日常が少しずつ戻りつつある状況をありがたく噛み締めております。

さて、2023年の1年間を通して世間の関心の対象だったのは、やはり生成AIではないでしょうか。私個人の所感としては、ChatGPTのGPT-3.5がリリースされた当初は正直そこまで驚きはなく、仕事のあり方を大きく変えることはありませんでした。しかし、GPT-4がリリースされ、そのレスポンスの精度に触れた瞬間に印象が大きく変わりました。

特にその価値を大きく発揮したのは、弊社が今年に受託したモバイルアプリ(Flutter)の開発プロジェクトにおいてです。該当の案件ではFFI(Foreign function interface)によってC++のコードとDartのコードをブリッジし画像処理を行うという、私にとってやや技術ハードルのある要件でしたが、ChatGPTを活用することでかなりスピーディに開発を進めることができました。ChatGPTがなかった場合、下手をすれば倍近くの工数を要していたかもしれません。

上記の仕事を経て、「自分の現在のスキルセットと隣接する領域」に対して仕事の幅を広げる敷居がぐっと下がったと感じました。「隣接する領域」というのは上記の案件のように、Webエンジニアである私がモバイルアプリの開発に挑戦するというようなイメージです。逆に言うと、自分の専門領域とかけ離れた領域の仕事をChatGPTによって完遂できるかと言うと、それはまだまだ難しいように感じます。

大きな企業に属している方であれば、隣接する領域の仕事にチャレンジする際に、「その領域に詳しい同僚の知恵を借りる」ということが行いやすいかと思いますが、私(達)のように1人または少数のチームで仕事を行っている場合、誰かに質問するという行為が難しかったりします。その点において、ChatGPTはそうした同僚やメンターの代わりとなってくれる存在であるように思います。つまり、フリーランスや小規模の会社こそChatGPTの恩恵を感じやすいと私は思っています。

生成AI、引いてはAGIの発展が悲観的に論じられる場面もありますが、上記のような背景から生成AI時代の到来を私は好意的に受け入れています。私が社会人になってから、間違いなく最も仕事のあり方を変えた1年でした。来年も引続きこの文明の利器を利用して、隣接する領域に仕事の手を伸ばしていきたいと思っています。

今年も大変多くの方にお世話になりました。来年も何卒どうぞよろしくお願い致します。
是非ごゆっくり良いお年をお迎え下さい。

ランダムな日

まえの日 丁寧な仕事を実現するためのお膳立て

ランダムな日

loading loading