最後の一足

高校生の頃、某靴屋に新しい靴を買いに行きました。当時は学生であまりお金もなかったので、慎重に慎重に新しい一足を選んでいました。
しばらくして、とあるかっこよさげなスニーカーが僕の目に止まり、そのスニーカーをじーっと眺めていると、店員の方がいそいそと僕のところに来て、その靴の良いところや人気商品であることなどを語り始めました。そして、決め台詞的に、「これ実は、最後の1足なんですよ‥!」と、耳元でささやくように教えてくれました。
僕は、「お、最後の一足か。じゃあここで買わなきゃ次はないかもな…。買っとくか。」と、当時高校生の僕はあっさりと購入を決意しました。

それからしばらく、最後の一足を買えて良かったという達成感に浸りながらその靴を大事に履き続けました。
1ヶ月くらいたったあるとき、ふとしたきっかけでまた同じ某靴屋に訪れる機会がありました。…すると、なんということでしょう、最後の1足だったはずのあの靴が、僕がまさにそのときにも大事そうに履いていたその靴が、まだ店頭に並べられていたのです。しかも、色違いで2足も(笑)。

その頃からでしょうか、僕の心が少しずつ汚れ始めたのは…。と、いうのは冗談で、今考えるとあの店員はなかなかやり手なセールスマンだったなぁと思います。いや、僕が無知すぎただけか?

最近読んだ なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか? という本を読んで、思い出したエピソードでした。この本、面白いです。

 

つぎの日 都会と地方の差は「電車」に表れる。

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