自己肯定感を高めるための工夫

イチロー選手がとあるインタビュアーに、「シーズン終盤で打率4割、安打数が199だったとして、それでも次の打席では積極的にヒットを狙いにいきますか?」という趣旨のことを聞かれ、「もちろんです」と答えた逸話がある。彼曰く、打率のように毎日変動する数値に対して一喜一憂するのではなく、安打数のように毎日積み重ねていくことのできる数値に対して大切に向き合っていたいと考えているため、こう答えたらしい。

この逸話が自分の心理に影響しているためかは分からないが、僕も日々の仕事への向き合い方として、同じような気持ちが働いていることに最近気がついた。

いわゆるタスク管理ツールやTODOアプリを使う際に、積み上げたタスクを消化した際にそのタスクを消すことで処理している人も多いかもしれない。ただ僕の場合は消すのではなく、別の色で塗りつぶすようにしている。具体的には僕の場合、TODO管理用途としてカレンダーアプリを使っていて(やや変わっているかもしれない)、やるべきタスクを特定の日付の時刻に入れておくようにしている。そして概ね該当の時刻にそのタスクを実行し、タスクが完了したらそのラベルを別の色(赤)に塗りつぶす。消すのではなく塗りつぶす、というのが重要だ。

消すことと塗りつぶすことの何が違うかというと、一定の期間を終えて振り返った時の達成感である。処理済みのタスクを消してしまった場合は当然以後それを確認することはできないが、別の色に塗りつぶすというやり方をとることで、1週間や1ヶ月といった節目に振り返りを行う際、ずらりと並んだ赤色のラベルを見て、自分はこんなに頑張ったんだなと自己肯定感を得ることができる。これって、イチロー選手の言う「安打数」のような感覚なのではないかとふと思った。

もちろん、未達だったことの振り返りを行ったり、自分自身の出来栄えに点数をつけたりといった「打率」にあたるような反省も行っているが、上記のように積み重ねた「安打数」の振り返りを頻繁に行っていることが自分の気持ちに定期的な安堵感を与えているように思う。自分自身、人よりも自己肯定感はある程度高い方だと自負しているが、その理由としてこうした日常のちょっとした工夫が作用しているからかもしれない、とふと思った。

つぎの日 積みPodcast

ランダムな日

まえの日 寝る前にヘッドホンで音楽だけを聴くような体験

ランダムな日

loading loading