流行りに乗る

漫画や映画、Netflixのドラマなど、世の中にはその時代における流行りというものが存在しています。僕はこれまでそういった流行のコンテンツをあまり追ってこなかったのですが、その習慣が良くなかったなという気づきがあったため共有します。

そもそも、何故僕はあまり流行りを追ってこなかったのか。その点について自己分析すると割と明確な理由にたどり着くことができて、単純に貧乏性な性格だったからではないかと思っています。というのも、流行りの映画にしても漫画にしても、新作にアクセスするというのは得てしてお金がかかるためです。大人になった今となってはその感覚も忘れてかけていますが、学生の頃はDVDレンタルの新作と旧作の価格差は大きく感じられたし、漫画も新品で買うのとブックオフで中古で買うのとでは全然お得感が違っていた。そういう、ややつまらない理由ではありますが、結果的に僕はひと昔前のコンテンツを楽しむことが習慣づいてしまったのだと思います。

冒頭の話に戻り、ではなぜ流行りに乗らず、ひと昔のコンテンツばかり楽しむことが良くないのか。例えば有名なアーティストであるボブ・ディランに関してこんな話があります。「ボブ・ディランの音楽の価値を真の意味で理解するには、当時の時代の空気感をリアルタイムで体験している必要がある」と。(自分の記憶からこの言葉を掘り起こしているので少しニュアンスが異なるかもしれませんが)

とりわけ彼の音楽は、詩の内容に政治的な風刺を含めたことがセンセーショナルでありました。その事実と詩の内容は数十年経った現代において味わってみても一定の感動を得ることはできますが、その裏にある時代背景は想像でしか汲み取ることができないため、本当の価値を理解できるのは当時の時代の空気感を味わっていた人々のみであると。そういうニュアンスの言葉であると理解しています。

その言説は大変納得感があり、周回遅れのコンテンツばかり選んで楽しんできた自分にとって強く響くものがありました。確かに、周回遅れのコンテンツでは、そのコンテンツが流行っていたときの世の空気感と同時に楽しむということはできない。加えて、世の中の熱狂の中で生まれる周囲との感想の共有体験なども、当然弱くなってしまう。流行りを常に追っている方にとっては当たり前に感じられることかもしれませんが、古いコンテンツを体験する際にはこうした側面が弱まってしまうことに今更気づいたのです。

昨年まではあいも変わらずビートルズやスティービーワンダーなどを聞いていた私ですが、今年からは2020年代の音楽や、週刊誌に連載中の漫画も少しずつ楽しむところから始めてみようと思っております。

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