僕は新卒で入社した会社で1年2ヶ月ほど働き、現在に至るのですが、つくづく新卒入社した会社が個人に与える影響は大きいと感じます。特に、僕の場合は新卒入社した会社を辞め、そのまま会社を設立したので、よりそれは色濃く感じます。1社しか経験したことがないので、会社の常識=前職常識となってしまっている部分が結構あるんですね。
例えば、Web制作におけるフローがいい例です。Web制作の業務フローは、どの制作会社においても【戦略→企画→設計→制作→検証→公開】というざっくりしたフェーズはほとんど共通していると思います。ただ、その各フェーズの進め方、体制、成果物の基準など、細かな点は会社独自の部分も多く存在します。A社ではこの段階では作るけど、B社ではもっと後のフェーズで作る、みたいなことは山ほどあります。
この会社独自のフローは、職歴が浅ければ浅いほど、会社のルールが身に染みやすいものです。からっぽの状態の容器の方が中を満たしやすいように、経験が少ないほど、外部からの情報で満たしやすいのと同じです。それも、特に新卒で入社した会社で学ぶルールは、その後のキャリアの根幹ともなりうるほど影響が大きいものです。かつての終身雇用制度が充実していた頃の日本であればそれで問題なかったのですが、今は違う。会社も、職種もひとつの人生で何度も変わっていくことが予想されるキャリアにおいては、初期に与えられたルールややり方に固執することはリスクでしかありません。
そのため、今後求められる態度は、どんな会社においてもあくまで「その会社の独自のルール」だということを前提として認識しておくことだと思います。どこへ行っても共通して使える部分だけを抽出し、使いこなすスキルがどんどん重要になってくるんですね。