大人になると、筋力がついたり、思考力、忍耐力などが子どものときに比べて向上しているように感じますが、なかでも僕がもっとも向上したと感じる能力は危険予知能力・危機回避能力だなと思います。
例えば、少し濡れた岩場を歩くとき、子どもの頃に比べてかなり慎重に、安全性を考えて移動するようになりました。例えば、足を踏み入れることのできるスペースが3つあるとすると、そのすべてに一旦足を置いてみて感触を確かめ、もっとも安全そうなスポットを選びながら歩行していきます。さすがに、子どもの頃にこれほどまでの慎重さは持ち合わせていませんでした。
そういう分かりやすい場面以外でも、少しでも安全な方に、リスクの低い選択肢を取ろうとする考えが自然に働いているように思います。そういう瞬間に自分で気づくと、「危険予知能力高まってるなぁ」と感じます。
おそらくこれは、経験からくる「想像力」によるものだと思います。これまで、子どもの頃より多くの年月を生きてきて「このパターンはこういう最悪のケースが考えられる」「こういうリスクもあるので、安全にコチラを選んでおこう」と、過去見聞きしたことや、実際に経験したことをもとに、想像力がはたらき、その結果少しでも安全な方を選択しようと無意識に動こうとしているんじゃないかと思います。
これがもしそのまま行き過ぎてしますと、老人になった頃に「布団のなかでじっとしているのがもっとも安全」となってしまうんじゃないか、とすこし心配しています。