1年以上前に読んで、Evernoteに保存していまでも度々読み返す記事があります。
制作会社がクライアントに切られてしまう一番の理由とは? | ベイジの日報
ベイジという、東京のWeb制作会社の代表である枌谷さんという方が書いた記事なのですが、あまりに明快で、率直、かつ理路整然と厳しいことを書いてあるこの記事を読んで、当時は脳天に雷をくらったような衝撃を受けました。この記事を読んで、僕個人が目指したいディレクター像(ゆくゆくはWebプロデューサー)がはっきりとしました。
特に印象に残っているのは、「我々が言うべきは「どうしましょう?」ではなく「こうすべきです」だ」という一文。リーダーシップのある制作ディレクターのあるべき姿として書かれている文章ですが、「自分もこういうスタンスの取れるディレクターになろう」と一つの指針にもなっている言葉です。
「どうしましょう?」とクライアントに判断を委ねるのは、とても簡単です。こうしたオープンなクエスチョンを投げてさえいれば、クライアントが考えてくれるし、答えをひねり出してくれる。そう思えるかもしれません。けれど、そのようにして出た答えがベストな解である可能性はそこまで高くありません。なぜなら、クライアントはウェブのプロではないことの方が多いからです。
だからこそ、我々ウェブ制作会社が取るべきスタンスは、「こうすべき」と指針を提案することです。提案するということは、そのとき取れるあらゆる選択肢の中から最善のものを選び、根拠とともに、場合によっては数字を添えて伝えるということです。これは、専門性はもちろん、そのプロジェクトの背景や、クライアントのビジネス、進行状況など、様々な情報を把握している必要があり、すごく難しい。
こんなに無料でウェブサイトが作れるツールが出回り、誰でも簡単に、無料でウェブサイトを作れる時代になったからこそ、「こうすべき」と提案できるタイプの制作会社が求められるのだと思います。そんな時代に、「どうしますか?」と、提案なしに判断をクライアントに委ねる姿勢のまま、生き残っていけますかね?