先日、沖永良部島に行ったときのことです。島へ向かう飛行機は、一般的な旅客機とは違い、サイズが小さい機体でした。普段鹿児島ー東京間で乗る飛行機よりは、二回りくらい小さく、見た瞬間に「あっ、小さいな」と明らかに分かるレベルです。いわゆる「プロペラ機」と呼ばれるタイプの機体で、プロペラがむき出しになっている形状のものでした。
その小さな機体に乗って感じたのは、結構飛行による乗客へのストレスが大きいということ。特に、「カタカタカタカタ」と常時振動が止まらず、離陸から着陸まで、ずっと振動を感じながらのフライトでした。振動については、機体の質量が大きく関わっているのだと思います。
一方で、これは沖永良部島の空港に着陸してから気づいたことなのですが、機体が小さいせいか、とても小回りが効くのです。普通、飛行機は数百メートルもある滑走路をゆっくり旋回しながら方向を変え、目的地を目指すのですが、規模が小さい機体だと、大きな滑走路を必要とせず、簡単に急なカーブを曲がることもできます。これは、軽自動車がバンやトラックなどの大型車より小回りが効くのと全く同じですね。
規模が小さい機体は、進行中、その乗組員1人1人が受けるストレスは大きくなります。大きな機体だと、一切感じないような外部の環境の変化を受けることだってあります。逆に、方向を変えたいときは、小さいがゆえに自由自在に向きを変更し、ちょこちょこと目的地に最短ルートで向かうことができます。この機動力の高さが、小さい機体のメリットです。だからこそ、人口が少なく、利用客が少ない島に定期便が飛ぶんですね。