沖永良部島の杜氏の方とお話したときのこと。沖永良部島では、各酒蔵間で積極的にノウハウを共有する習慣があると仰っていて、それが一番印象に残っている。鹿児島本土の酒蔵メーカーでは、周りの酒蔵はライバルだとし、追い越せ追い抜けの関係性で切磋琢磨しあっているところが多いから(むしろ、同業他社というのはそういった関係性が自然であると思う)。島人ならではの性質からか、今で言う「シェアの精神」を、ごくナチュラルに体現している様をそこでは感じることができた。
また現在、同時進行で「年収は『住むところ』で決まる」という本を読んでいる。住む場所によって物価が変わるから、という単純な話ではなく、年収が高い場所≒業を起こそうとしている血気盛んな人が多くいる場所、ということで相互作用が生まれ、その土地の平均給与は年々更に上がり、スパイラルのように地方ごとの格差が生まれていくという。
東大出身の某ベンチャー社長も面白いことを言っていた。「大学受験というのは、共通のインプットから品質の高い(正しい)アウトプットを導くことの訓練である。しかし、社会に出てからは、品質の高いインプットを獲られる環境に身を置くことの方が重要である」と。