自分ひとりで作業するときはもちろんのこと、特にお客さんとやり取りをする機会が多いときに痛感します。「言ったと思ったけど、伝わってなかった」「ちょっと解釈がズレたまま話が進行していた」など、仕事上の微妙なやり取りのすれ違い、ミスみたいなものはゼロにするのは難しいでしょう。やはりそこは、自分以外の人間が介在しているので、全く同じ認識を与えるということはできない。
じゃあ、それをどうやって少しでもゼロに近づけていくか?を考えたときに、僕らが持てる唯一かつ最大の武器は「想像力」です。物事の一歩先、二歩咲を想像し、現在打てる範囲でのベストな選択をするということです。選択する際に十分想像できていないと、その先に広がる展開があまり読めません。せいぜい、目の前の手の届く範囲が分かるかどうか、という程度。つまり、十分に想像が及んでいない状態。こういう状態で仕事を進めていくと、たいていミスります。
けれど、その二歩先くらいまで展開が読めると、その付近にあるリスクも加味し、最善の手を打つことができる。つまり、想像力によって、その後起こりうるリスクをどんどん減らし、またなにか起きた場合にも対処することができます。ざっくり言うと、この意識の違いが仕事ができる人とできない人の違いだと思っています。
想像は、「準備」によってもたらされ、強化されます。準備が疎かになると、もちろん細部まで想像することはできません。十分な準備のステップが、想像する余裕を与えるのです。仕事の本質は「準備」だと、常日頃から思っているのですが、ちゃんと想像する時間を確保するという意味でも、準備の時間は必要なんですね。