去年の暮れに書いたブログの中で「師匠がいないと能力が伸ばせないのなら、そもそもその事柄に向いてない」という旨のことを書いたのですが、今回はその件についてより細かく書いてみようと思います。
僕と同時期に会社を作った、高専時代の同級生に中尾君という男がいるのですが、彼と創業前に話していたのは、「若くして会社を作ることで、エンジニアとしてのスキルがストップしてしまうことへの恐れ」についてでした。確かに、フリーランスになると成長がストップするという話はよく聞いていたからです。けれど、彼と話した末にまとまったこととしては、「じゃあ、独立してからも会社員の頃と同じスピードでエンジニアスキルを成長させられるかどうかというのも含めて、トライしてみたらいいんじゃないか」ということでした。結局、世の中のいろんな人がフリーランスになると〜論を唱えていたとしても、結局は自分たちの身をもって確かめないとそれはわからないと思ったのです。
それから1年と少しが経った現在、良かったなと思うのは、実際に会社員の頃と同じスピードで、いやそれ以上のスピードでエンジニアスキルを伸ばせているという実感があるということ。つまり、中尾君と創業前に話していた不安や挑戦的な部分については無事サクセスしたということです。
独立・独学でもきちんと自分のスキルを磨けるということは、つまり自分一人で能力のフィードバックループが回せるということです。新しい仕事に挑戦して、結果を振り返り、良くできるようになった点や伸ばす余地のある点を洗い出し、更にまたそのスキルを磨くための仕事に挑戦する。これさえ綺麗に回せていれば、たとえコーチ的な人が上にいなくてもきちんと能力を伸ばしていくことは可能であるということがわかりました。
特に難しいのは、「結果を振り返り、良くできるようになった点や伸ばす余地のある点を洗い出す」という部分。意外と、自分のスキルや制作物を客観的に見て判断することって難しいことなんです。仕事に没頭しているときは当然主観的に仕事と向き合っていますから、いきなり視点を180度変えて客観的に判断せよと言ってもなかなか無理。でも、これができるかどうかというのが、人の向き不向きを決定づけているという風に思います。
おや、この話、どこかで聞いたことあるような…。と思ったら、カヤック柳澤社長のブログでした。「私が独自に発見した、一番ラクな天職の見つけ方。」というブログの中で、柳澤社長も同じ趣旨のことを語ってくれています。この記事は本当に読みやすくてわかりやすいので、僕のブログで伝わりづらいと感じた方は是非こちらがオススメです。
そういう意味だと、僕はブログを書くことにはあまり向いていないのかもしれません。自分で自分のブログを読んで、毎回良かったのか悪かったのかよくわかっていないし、1年前の頃とあまり進歩していないような気もします(笑)。