酒器「黒じょか」はZIPPOライターみたいなもの。

焼酎を嗜むための酒器のなかに「黒じょか」というものがあります。そもそも「千代香」というのが鹿児島県に古くから伝わる方言で、注ぎ口のついた陶磁器の土瓶のことです。上記の写真がまさにその黒じょかなのですが、急須ともまた違って扁平型のなんともいえないフォルムをしているのが特徴的な器です。

使い方はいたってシンプル。この黒じょかのなかに事前に割っておいた焼酎を入れ、直火などで温めるのです。直火に当てる時間を調整することで、少しぬるめに飲んでみるのもよし、あつあつのお湯割りにするもよし、だいやめをもっとより楽しむためのグッズである、という点は間違いないでしょう。

この黒じょかをはじめて見たときの感想は「ZIPPOっぽいな」というもの。ZIPPOとは、小型のライターなのですが、その用途、出で立ちを見るに、明らかに初心者ではない感だ漂っています。「焼酎を温めるだけ」という、限られた用途のなかで使われるものというのがすごくいいなと思います。ZIPPOライターも同様に、火をつけるという単純な目的のために、あんなに装飾を施したり、柄が入ったり…、とデザイン面で遊ぶケースも見受けられます。

黒じょかやZIPPOライターに限りませんが、とあるごく限られた目的のためだけの道具、というのはそれだけでプロっぽくて好きです。焼酎好きなかたにはぜひ一度試してもらいたい代物です。

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