M-1グランプリは、「芸人としての価値を全否定される場」。

今日は休日っぽいエントリを。

毎年欠かさず観ているM-1グランプリ、今年も観ました。優勝はとろサーモン。

M-1においても苦労人ですし、ラストイヤーということもあってかなり思い入れのあったであろう本大会でおもしろいネタを見せてくれて素直に賛辞を贈りたいです。

M-1といえば、ぼくがよく覚えているのが、伝説のM-1 2005。

この年はクリスマス決戦で、当時まったくのダークホースだったブラックマヨネーズが優勝した年でもありました。ぼくはこの年にはじめてM-1を観て、「なんておもしろい漫才師がいるんだ!」とブラックマヨネーズにハマり、どんどんお笑いが好きになっていった、という経緯があります。

そんなブラックマヨネーズが、以前とあるラジオ番組でお笑いの賞レースについて、「芸人はM-1みたいな賞レースで優勝するために1年間必死にネタを作り、練習し、磨き、発表する。けれど、そこでトロフィーを手にするのは1組だけ。それ以外のコンビは、芸人として自分たちの存在を『全否定』された気分になる」、というようなことを語っていました。

うーん、これはきついなあ。

でも、たしかにそうなんですよ。芸人は「おもしろいネタで人を笑わせる」というのが根源にある提供価値です。それ以上でも以下でもなく、ただそれだけなんです。

だから、「M-1で優勝せずに敗退する」というのは、「芸人として価値が低い」とみなされてもおかしくない、とブラックマヨネーズの吉田さんはおっしゃっていました。そして、それは芸人としてものすごくつらいこと、だとも。

日常において「全否定される」って、公私ともになかなかないと思います。逆にいうと、そこまで追い込まれてでも挑戦したい、する価値があるのがM-1グランプリなんだと思います。

にしても、やっぱり賞レースで芸人が報われる瞬間が好きです。僕は、「人を笑わせる」ことをなりわいとしているすべての芸人を心から尊敬しているので、もうそれだけで嬉しいのです。

 

 

つぎの日 「知り合い」が顧客の中にいるサービスで良かったと思う。

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