こんな記事を読みました。
極めて精巧な偽造100ドル紙幣 相次いで見つかる | NHKニュース
偽札云々はひとまず置いておいて、特に気になったのが「わずかな手触りの違いに従業員が気付いたということで、〜」という部分。見た目はすごく精巧で、パッと見わからないくらい似ているのに、手で触った感触の違和感で分かったということですよね。この人間の持つ触覚のセンサの高感度さはすごいなと感じます。
機械加工の世界では、だいたいどのジャンルにおいても「職人」と呼ばれる人がいます。彼らは特定の加工において熟練した技術を持っており、機械ですが加工できない精緻な加工を、勘と経験、感覚などをフル活用し、行っています。
例えば、昔のiPhoneやipodの裏面の鏡面加工(たしか新潟のとある工場で行われていたはずです)や、1枚の金属板から継ぎ目のない底付きの容器をつくる際に行われる「深絞り」など、その範囲は極めてニッチで限られているのですが、そのスペシャルな分野において「これぞプロ!」と思えるような加工を、いとも簡単にやってのけるのです。
そのときに、指で触った感覚や音の違いなどを聞き分けたりして判断していくのですが、やはりプロの職人となると、このセンサが一般人とは比べ物にならないくらい研ぎ澄まされているんです。熟練工になると、1000分の1ミリの鉄の段差を指の感覚だけで感じられるようになるのだと言います(たぶん、普通の人は1000分の1ミリが想像もできないくらいの大きさだと思います)。
このように、人間は経験や習熟によって身体の「センサ」的機能が発達・進化していくものなのだと思いますが、僕もここ2〜3年の間で、「自分の体調の優れ具合」をはかるセンサの感度がどんどん高まっていっているのを感じます。
いまでは「あ〜今日はだいたい65%くらいだな」とか、0%〜100%で、だいたい20段階くらいで体調が分かるようになりました。もっとも、それはもう完全に僕の主観なので、感じた数値が100%正しく、その数値が間違っている、ということはありえないのですが、そういう理屈はいったんおいておいて、「自分の体調」に敏感になった、ということです。65%くらいの日はできるだけ早めに寝るようにするし、90%くらいの日はすこしハードにランニングをしたりします。こういう調整ができるようになって、やっと「大人になりかけているかな?」みたいなことを考えます。