「作成」と「制作」の違い。

「作成」と「制作」の言葉の違いに悩むことがあります。

僕らはウェブサイトを作って報酬をいただく事業をおこなっているのですが、そうした事業は「Web制作」と呼ばれます。「Web作成」と呼ぶのを聞いたことがありません。また、Webサイト制作に必要なタスクであるデザインをする工程についても「デザイン作成」ではなく「デザイン制作」と呼ぶことが多いように思います。

一方、見積もりや提案書、要件定義書などの、制作に必要な各種ドキュメントを作る際は「制作」とは呼ばずに「作成」と呼ぶことが多いです。そのほか、制作進行に必要なスケジュールやWBS(Work Breakdown Structure)も「作成」と呼ぶことが多いです。

ここで辞書を引いて調べてみると、「制作」は一般的に美術品や映画などの芸術作品を作る際に使われる単語で、「作成」は書類、計画などを作り上げる際に使うことが多いのだと言います。

ここまでは、なんとなく分かります。感覚で理解できるレベル。けれど、「制作」なのか「作成」なのか、今日すこし頭を悩ませるタスクがあることに気が付きました。それが「ワイヤーフレーム」を作ること。ワイヤーフレームとは、ウェブサイトやアプリなどを作る際に、それらの構成要素の位置や機能を図面にして示したもので、ウェブサイトの骨格となるものを表現したドキュメントです。

このワイヤーフレームについて、「作成」なのか「制作」なのか、というところで悩んでしまいました。ワイヤーフレームは、デザインやコーディングといった実作業の元になるドキュメントであり、いわば設計図。なので、直感的には「作成」の方が正しいように思いますが、それを作っている側からすると、多少意匠として工夫している面があり、「制作」でも遠く外れているわけではないな、という印象です。

他にも、何かものを作るタスクを表現するときには、「製造」や「創作」と呼ばれたりすることもあって、改めて日本語のややこしさを身にしみて感じます。そして、なかでもワイヤーフレームについては、未だにしっくりくる表現がみつけられていない、というのが正直なところです。もしも、ぴったりの表現を知っているという方は、ぜひ教えていただきたいです。

 

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