目線を外に向ける

顧客目線、とはよく言われるものの、実際にそれを常日頃から意識して体現するのは意外と難しいというお話。

商品やサービスを作ったとき、それによって満足させるべき人は顧客であるべきです。極端な話、顧客が満足してくれれば、社内の誰かを満足させる必要はないはずです。ところが、毎日一緒に仕事をしながら商品を作りあげていく仲間は当然、社員の人です。商品を作る時に、その顧客が常に横にいてアドバイスをくれるなんて悠長なことは起こりえません。

従って、顧客目線をどれだけ意識していても、普段コミュニケーションをとる相手とその量の比率は、「社員:顧客 = 9:1」あたりが実際のところではないでしょうか。そうなってくるとどうしても、いまやっている仕事の目的が「顧客を満足させるため」が、「今コミュニケーションをとっている社員を説得させるため」にすり替わる瞬間が出てしまいがちなのです。このトラップは常に潜んでいるのです。

商品の方向性についての議論がヒートアップしてくると、ある時点から議論の目的が、「商品を良くするため」から、「議論の相手を論破するため」になってしまってはいないか―。外に向けるべき目線が、社内に向いてしまっていないか。

商品を良くするために、社内の誰かを論破することなんて全く重要ではなく、それよりも部下の意見が正しいと思えばそれを適切に吸収し、ときには自分が折れることの方がよっぽど重要。この度量が、僕にはまだ足りていないときがあるので、普段から強く意識していかなければと思っています。

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