一つのメディアフォーマットが死にゆく瞬間

一緒に仕事をしているデザイナーが、リファレンスとして提示してくれたWebサイトが、全く演出めいたものもなく静的な普通のサイトだったので、「ん?一体どこを見ればいいんだ?」としばらく考え込んでいた。あとから気付いたのだが、このサイトは本来Flashで見るべきサイトだったのだ。

Flashがオワコンと言われてから久しいが、最近のブラウザではいよいよ標準設定でFlashの再生をオフにしてしまっている。つまり、上記のようなFlashで実装されたごりごりリッチなサイトも、(HTMLで再実装されていなければ)普通にマークアップされたサイトが表示されることになる。もちろんスマホでも同じく、Flashコンテンツを見ることはできない。

ちなみに上のサイトは、ルイヴィトンの特設サイトで、かのyugop氏が作ったFlash製のランディングページである。短いながらも雰囲気が伝わるようにGIF動画を撮ってみたらこんな感じ。

もう4年前にローンチされたコンテンツになるが、全く古くなく、むしろこのレベルのクオリティのWebコンテンツを久しぶりに見たというくらい。今でもこれほど有機的な動きのあるものを発明・実装できるクリエイターはほとんどいないだろう。

それだけに、Flashの衰退によってこうしたコンテンツがどんどん閲覧されない環境になっていってしまうのはやっぱり寂しい。例えば30年後とかに若い人がこれを触ってみたらどういう感想を抱くのだろうか。技術によってあらゆる表現手法が進化したとしても、こういうプリミティブでシンプルな動きで気持ちよさを感じさせる秀作の良さは色褪せないと思う。

音楽くらいの大衆化された文化であれば、例えば古いアナログレコードを新しいメディアフォーマットで復刻してくれる人がいくらでもいるだろうが、Webコンテンツくらいのポジションだとそうもいかないだろう。30年後には、特殊な再生環境を持った一部の人だけが閲覧できるコンテンツになっているのだろうか。たまに都内で、Flash時代の名作展とかが開催されておじさんたちが集まって懐かしんでいたりして。

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