「とりあえず話だけ聞いてみる」のコストは無視できない

ここ2週間ほど、弊社宛てのお仕事の依頼がどっと増え、嬉しい悲鳴をあげ続けています。「嬉しい悲鳴」と言っているうちは良いのですが、こうした状況においては少しでも油断してスケジューリングを間違えると、途端に「本当の悲鳴」に変わります。簡単に言うと、アウトプットのクオリティが下がってしまうという結果を招くのです。

アウトプット(=最終成果物)のクオリテイという1点に関して見ると、そこのレベルを担保することに関しては制作者なら誰しもが意識していることかと思います。しかし、アウトプットに至るまでのフェーズ、すなわち日々の実制作のフローや打ち合わせの1つ1つの「クオリティ」を見た時に、そこを常に担保するのは高度な集中力を必要とします。この2週間は、嬉しい悲鳴が少しばかりバランスを崩し、こうしたフェーズ単位でいくつかクオリティの低いものを出してしまいました。これは大きく反省しています。

ではなぜ、こうした結果を招いてしまったのか。内省してみて、単純に「忙しかったから次は仕事をこれほど多くは受けないようにしよう」と片付けるのは簡単です。でもそれでは安直すぎるので、もう少し細かい単位に要素分解してみました。すると、「とりあえず話だけ聞いてもらえませんか?」というお誘いを、何も考えずにたくさん引き受けてしまいすぎたからではないか、という要因に行き着きました。というのも、「とりあえず話だけ聞いてみる」と言うと、どうしてもそこに時間的コストは発生しないものとして無意識に考えがちだからです。
ところが実際に要した時間を振り返ってみると、話を聞いてみる前にまず行う先方に対するリサーチの時間(約30分〜1時間)、場合によっては移動時間(30分〜1時間)、話を聞いてみる時間(1時間〜1時間半)、終わったあとの議事録まとめ&共有(15分〜30分)といった具合に、トータルで約3〜4時間はかかってくるのです。これが週に何本も積み重なると、案外リソースを圧迫してきます。これは思わぬ盲点でした。

上記の反省はもちろん、こちら側のスケジューリングコントロールの問題です。とりあえず話だけ聞いてみて下さい、と持ちかけてくださる方々に対してはありがたい限りです。今後もどうぞバシバシ話だけ聞かせてください!(笑)ただし、現状進行しているお仕事のスケジュールを見たときに、タイミングによっては「とりあえず話だけ聞いてみる」の時間も、後ろ倒しにしてもらえるように相談を持ちかけることもあるかと思います。

弊社の経営理念は「もっとよくばる」ですが、まだまだよくばり方が下手だったということです。きちんと1つ1つを丁寧に、良質なかたちでよくばることができるように、今後もよくばる方法を工夫し、考え続けていきたいと思っています。

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つぎの日 自分が何に対して「降りている」のか、ちゃんと把握する。

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