「気持ちのいい接客」ってあると思います。
たしかあれは18歳くらいで、まだ鹿児島に住んでいたころでしょうか。東京03のライブを観に、はじめて東京に行ったんです。1人で飛行機に乗って。場所は恵比寿ガーデンプレイス。地方の田舎者がはじめて訪れる東京のスポットにしてはあまりにオシャレすぎる会場です。目に見えるものすべてに感動しながら、会場へと向い、開演を待っていました。
しばらく辺りをうろうろしていると喉が渇いたので、ガーデンプレイス内にいるスターバックスに寄ったんですね。キャラメルマキアートかなにかを頼んだ覚えがあります。で、僕はとても驚いたんですね。そのスターバックスの店員の接客に。めちゃくちゃ気持ちのいい笑顔で、声もハキハキしていてよく通るし、すごく気が利くんです。そして、すべての動作に無駄がない。「これが東京か…」と。これまで、人生のなかでそんなパーフェクトな接客をされたことがなかったので、あまりに気持ちのいい接客に打ちのめされたというか、度肝を抜かれたんですね。東京03のライブはもちろん楽しかったのですが、トータルで振り返るとスターバックスの店員の方が強くイメージに残っています。
つい最近、町田の映画館で『シン・ゴジラ』を観に行きました。その後、同じく町田市内にあるインドカレーのお店で昼食をとったのですが、そのときの店員もすごく気持ちのいい接客をされる方で、上に書いたスターバックスの店員を思い出したんですね。『シン・ゴジラ』はとてもおもしろい映画でインパクトは強かったのですが、それに匹敵するレベルの感動がありました。
誰もが感動する映画やドラマ、人々の生活をがらりと変えてしまうようなアプリやサービスは、わかりやすく社会をよりよいものにする力を持っています。けれど、お店での1対1の接客にも、人を感動させられるだけの力があるなと、実感しました。
職種に関わらず、メール1本や打ち合わせ1回でも、工夫次第で「気持ちよさ」を提供できることを忘れてはいけないなと。