仕事ができる人・できない人を決定づける大きな要素の1つとして、「要所をきちんと抑えることができるかどうか」というものがあると思っています。常に仕事に対して100%の力量で挑むことはもちろん重要なのですが、それでも場面ごとに、特に重要なタイミングと、そうでないタイミングというのは当たり前に存在します。これは、プロジェクト単位で見てもそうですし、プロジェクト内におけるフェーズ単位で見ても同じ事が言えます。
例えばわかりやすいものだと、プロジェクト内のフェーズで言うと最初と最後は非常に重要なタイミングであり、平常時以上に集中力を割くべきだと考えています。
まず、「最初のタイミング」について。すなわちプロジェクトが開始して初稿となる資料なり制作物を出すタイミングのことを指します。特に関わる人同士が初めて仕事をやる関係性だった場合、とにかく早く質の良いものを出すように意識しています。それくらい、仕事関係において第一印象というのは重要であると考えているためです。社内ではこれを「先手を取る」という言葉を使いながら、意識付けるようにしています。「とにかくこの案件では先手を確実に取って、良いスタートを切ろう」といった具合に。
そして、「最後のタイミング」について。これは、いわゆるプロジェクトのクロージングやリリース、納品作業にあたるフェーズのことを指します。いわずもがな、これも非常に重要なタイミングであり、とにかくミスが発生しないように集中力を割く必要があります。ここでも、チェックリストを作っておいて一通り問題ないことを確認するフローを体系化したり、社内でのダブルチェックを通したりして、ミスが発生する可能性を少しでも減らすための仕組みづくりを意識しています。
また、プロジェクト単位で見た場合にも、重要度の大小はどうしても起こりえます。金額規模の大きな仕事、次に大きく発展する可能性のある仕事などは、当然重要度が高くなります。こうしたプロジェクトに対しては、人・金額・時間、それぞれのリソースをいつも以上に注力し、関わるメンバーに対してもその意識を持って挑むように、モチベーション作りを促します。
このように、場面ごとに正しく重要度を判断できる審美眼と、それに応じて集中力の緩急を正しくコントロールできる能力こそが、仕事の成果に結びつく大きな要因を担っていると考えています。