「傘立てです。」について。

どうも、下津曲です。

街を歩いていると「なんだこれ?」と不思議に思うメッセージに出くわす場面がよくあります。

先日、郵便局でこのようなものを見つけました。

どうやら、これは「傘立て」のようです。入り口付近に設置してありますし、既に一本、店内に入っているであろう客の傘が入っているので、僕はすぐにこれが傘立てであることを理解しました。

この、傘立てに「傘立てです。」と書かれてある状況がなんだかすごくおもしろくて、1分くらいずっと眺めていました。

よく観察すると、モノ自体はただの金属製の容器です。ちょっと縦長のドラム缶をギュッと圧縮したような形で、高さは60cmくらいでしょうか。例えば、フロアの真ん中に置いてあったらゴミ箱と勘違いしてもおかしくないようなフォルムです。

ただ、この容器に一言「傘立てです。」とラベルを貼ることで、誰もが「傘立て」だと認識します。やっぱり「あっ、傘立てなんだ」って、思うじゃないですか。

また、「です。」で締めてあるのも一層その効果を高めています。「傘立て」とだけ書かれたラベルが貼ってあるより、「です。」で締めくくられていた方がなんだか強いメッセージ性を感じます。傘立てに人格が宿ったような、そんな印象を受けます。

こうして「傘立てです。」のように自ら強いメッセージを放つことは、人からどう見られるかを意識する上でとても重要なことなのだな、と再確認しました。

もっと横に展開すると、これは「会社」にも言えそうです。「傘立てです。」くらいはっきりとしたメッセージじゃなくとも、少しずつでも何らかの発信をし続ける。モノと情報に溢れた現代において、会社を運営していくうえでも重要なことだなと感じました。

text by Hiroshi Shimotsumagari

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