「Webデザインの本質は言葉である」ということ。

いま、『沈黙のWebマーケティング』という本を読んでいます。

 

この本は株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズ株式会社ウェブライダーの2社で作られた『沈黙のWebマーケティング ―Webマーケッターボーンの逆襲―』というウェブコンテンツを書籍化し1冊の本にしたものです。

 

このサイトを見てもらえばわかるのですが、このコンテンツはちょっと絵柄のクセが強く、なかなかすぐには受け入れ難いです。実際に自分がそうでした。ちょっと色モノ感がありますよね。「おもしろそうだけど、絵が受け付けない」でおなじみのジョジョとか、バキとかそんな漫画たちと同じ雰囲気を感じます。

 

それから、サイトでみるとそうでもないですが、実はこの本めっちゃ分厚いんです。正直分厚すぎて、なかなか気合いを入れないと書店で手に取れないと思います。

内容はいわゆる「Webマーケティング」についての本で、登場人物の会話形式で話は進んでいきます。すごいサクサク読める。

 

とても分厚いんですが、だいたい4時間くらいあれば読み終わっちゃうくらいのボリュームです。

意外に読みやすいというのも発見だったのですが、この本普通に内容も素晴らしいです。

 

ウェブ担当をしている家具屋の娘(社長代理)が、闇の世界(?)で暗躍するWebマーケターとともに、悪と対峙しながら自分のサイトの価値をどんどん高めていくというストーリー。

 

まあぶっちゃけストーリーはなんだっていいのですが、ちゃんと抑えるべきポイントは抑えて、1話ずつトピックを立てて進んでいってわかりやすいので、企業の新人Web担当者とか、Webマーケティング会社に入ったばかりの若手にとってはすごくいい本なんじゃないでしょうか。

ただイケてるデザインより「安心感」のあるちょっとださいデザインの方が良い

 

この本に出る主人公「ボーン」のセリフのなかに、「Webデザインの本質は言葉」というのが出てくるんですね。「デザイン」と「言葉」って、ビジュアルとテキストという安直な考え方に基づくと相反するように思えます。

 

けれど、「信頼感・安心感のあるサイトには、ちゃんと血の通った言葉がある」みたいなことで、人はどんなにイケてるデザインよりも、ちょっとくらいダサくても「言葉」で信頼感を得られるようなサイトからモノを買いたいと思うのだと言います。

 

もちろん、サイトはそれぞれターゲットも目的も違うのですべてのサイトに当てはまるワケではありませんが、特に、高級な商品を扱っているECサイトなどは慎重に購入しようとするため、この傾向にあるのだそうです。

 

で、今日このサイトを見ていて、まさに ↑ みたいなことを思ったんですね。

福岡にある皮膚科のサイトなのですが、ちゃんと丁寧に言葉が添えられてあって、なんだか安心感がありませんか?

 

特に医療関係のサイトは、難しい言葉をやたら使ったりクールな印象を持たせても、「本当にここに任せていいんだろうか」という不安はカンタンには払拭できません。

 

そこで、こうしてやさしい感じの書体と文章を使って「うちの施術は安心ですよ〜」ってことを訴えているんですね。なので、よくよく思い返すと、医療関係のサイトは似たような印象を受けるサイトが多いように思います。

 

この辺りは一例なんですが、まさにそうですね。

 

たしかに、歯科のサイトではシュッとしたイケ感じのサイトよりは、温もりのあるやさしい雰囲気の方が「ちょっと、ここならなんか大丈夫そう」と思うような気もします。

 

この本を読むと、こういうふうにWebサイトを見る目がちょっと変わります。

 

沈黙のWebマーケティング』、とてもオススメなので、Webに携わる人で読んでない方はぜひ手にとってみてください!

 

text by shimotsu_

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