受託事業と自社事業の決定的な違い。

いま僕らはWeb制作の受託事業をおこなう傍ら、通販・メディアの自社事業を立ち上げているのですが、この両者の性質の違い日々強く感じています。

受託(形態の)事業と自社(見込み形態の)事業の違いについては、Waseiの代表・鳥井さんに教えてもらった『社長業』という本がすごくわかりやすくてオススメなのですが、たとえばざっと違いを挙げると、「クライアント(お客様)が特定の限られた数かどうか」「取り決めされた受注に対して、モノやサービスを納品するかどうか」「業績を左右する『得意先』の存在があるかどうか」…、みたいなものがあります。これはまさに本にも書いてある内容で、まさしくそのとおりだと思います。

加えて、上記のような、ビジネス的な性質の違いの他に、もっと分かりやすい明確な違いがあるなと感じています。それは、「最終決定権を、クライアント側と開発会社側のどちらが持つか」ということ。

例えば、CMをつくる受託の仕事を考えたとき、そのCMに登場させる若手の元気のあるアイドルを複数選んでプレゼンするのは代理店の仕事ですが、誰でいくかを決定するのは、最終的にはクライアント、ということになります。なので、代理店的にはAを激推ししていたものの、なんとなくクライアントの想像とギャップがあり、結果的にBの女優になる、みたいなことが起こりうるわけです。これが、最終決定権はクライアントが握っている状態、といえます。

一方、自社で開発している事業において、最終決定権は完全に自社にあります。もちろん、商品を買ってくださるお客様の意見を取り入れたり、サービスに反映させることはあるかと思いますが、どんな値段で発売するのか、色は何色展開するか、サイズは何パターン用意するかなど、ひとつひとつ要件を決めていくのは、自分たちしかいません。

これは、客観的に考える至極当たり前の話なのですが、受託事業と自社事業を振り子のように1日のなかで行ったり来たりしながら考えていると、この違いはとても新鮮なものに思えてきます。具体的にいうと、「決める」ということはこんなにも大変なのか、という気づきがありました。

おもに取り組んでいるWebの受託制作では、提案こそアグレッシブにするものの、最後に決めるのはクライアントです。僕らの立場としては、「これでいかがでしょうか」と提案する側なのですが、決める立場はあまり経験してきませんでした。ただ、自社事業の立ち上げにおいていろいろ決定していくうちに、どんな細かい文言ひとつとっても、多方面のお客様に迷惑をかけないか、誤解を与えないか、など気を配る必要があるということが身にしみて分かるようになってきました。

ふたつの性質の事業を同時に進めることで、この両者の立場を理解できるというのは大きな強みだと感じています。互いが互いに影響を与えて高め合えるよう、良いフィードバックループを回していきたいなと思っています。

つぎの日 今よく聴いている曲を来年聴いた時に、「におい」を感じられるかどうか。

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