「何にでも合う」は「何にもベストマッチしない」

最近、芋焼酎をよく飲みます。自宅でももちろんそうですし、外で飲む場合もだいたい2杯目以降は芋焼酎にすることが増えました。いい傾向ですね。

で、この芋焼酎に対して、常々気になっていたことがあります。焼酎はそもそも「食中酒」として広く飲まれてきた歴史があります。「だいやめ」として、晩酌の際に食事と一緒に飲まれてきたお酒なんですね。そうした背景があり、「(芋)焼酎は、いろんな食べ物に合う」とよく言われているんですね。実際に書物にもそういう風に記載されていたりしますし、そう聞くことも多いです。

実際、芋焼酎は本当に幅広い食べ物に合う飲み物だと感じます。九州特有の甘い味付けのこってりした料理にも合いますし、さっぱりした料理の風味も邪魔しません。スッキリした味わいの「七窪」という銘柄の焼酎は、刺し身や寿司にもよく合うと言われています。要は、良い意味で味にパンチがないので、料理とバッティングしないというか、一緒になって昇華されるような、そういう飲み物なんですね、焼酎は。

けれど、最近はこの「何にでも合う」という最大のメリットの問題点も感じるようになりました。「何にでも合う」ということは、「何にもベストマッチしない」と近い意味を持ちます(精確には違いますが、ここではそうしましょう)。平均してどの料理にも合う優等生ではあるものの、ゆえにひとつひとつの料理に対しては突出していません。実際に合うかどうかは問題ではなく、イメージの問題です。

例えば、ビールなら餃子や焼き鳥、フリッツなどマッチする料理はパッと思い浮かぶものの、一般的に「焼酎に合う食べ物は?」と聞かれてもそんなにパッと出てこないのではないでしょうか。おそらく、「まあ、焼酎って何にでも合いますよね」というリアクションが多いんじゃないかと想像します。

もちろん、これは焼酎のいい面でもあると理解しています。けれど、「何にでも合う」はそれだけ主張が弱いポジションであるということは頭の片隅に入れておきたいなと思います。しかも、ただでさえいろんな趣向に沿った酒やその飲み方が提案され、そうした情報で溢れている昨今なので、「これとこれが合う!」という”答え”を提示してもらった方が人々にとっては親切な提案となりうるんじゃないでしょうか。

個人的には、「焼酎とめちゃくちゃ合う料理」を探していきたいと思います。割り方については、ベリー系の炭酸ジュースと紅芋系の芋焼酎がめちゃくちゃ合うことは見つけました。

 

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