リリーフ仕事

8回裏1アウト、ランナー2、3塁。現在は自軍が1点リードしているがここで打たれたら一挙逆転…。そんな絶体絶命のピンチにチームのリリーフエースに声がかかる…!

そんな緊迫するような仕事は野球だけでなく、我々の業界にも存在します。プロジェクトが終盤に差し掛かり、もう少しで公開できそう。だけど、スケジュールに間に合わせるためにはどう計算しても人員が足りない。そこで急遽指名されるような、そんなお仕事です。

野球に限らず一般人の仕事においても、ピンチで渡されるバトンというのは大体が穏やかな状態ではありません。できることなら、先発ピッチャーとして真っさらな状態から仕事を引き受けたいというのは、ほとんどの人にとって共通認識だと思います。特に、エンジニアの仕事におけるリリーフ登板というのは尚の事厄介です。最初から任せてもらえるお仕事であれば、自分の頭で設計を考えて作ることができます。ところが人のものを引き継いだときには、その人の書いたプログラムを理解するというフェーズがまず最初に来ます。つまり、エンジニアの仕事においては先発よりもリリーフの方が難しいことが多いのです。

ただ、裏を返すと、この難しさはエンジニアとしての成長を早めてくれます。特にフリーランスや、小規模のチームで普段仕事をしているエンジニアにとって、他人のコードを多く読み込むという機会は少なくなりがちです。コーディング規約を作る優先度も下げてしまいがちになるし、ちょっと気を抜くと最新の技術トレンドに置いていかれている場合もあります。なので、定期的にリリーフ的な仕事をやってみるのも、すごく刺激があって良いです。プログラムを書きながら、「あ、こういう設計の仕方もあるのか」「このライブラリ知らなかったな」といったことが頻発し、普段よりも多くの知見を仕入れることができるのです。

ここ最近、たまたまそういった仕事の依頼が増えてやらせていただく中で、強く感じさせられたことです。

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